黒追おすすめのリューターをいくつか挙げておりますが、当記事ではその根拠を解説していきます。
このリューター随分安いけど、本当に書かれているほどの能力があるの?
本体以外何も付いていないのに、なんでこのリューターだけこんなに高いの?
などと言った疑問に対するヒントとなったり、ご自身の好みに合ったリューターを自分で探される時の基準にもなるかと思いますので、ご参考頂ければ幸いです。
リューターを選ぶ時に重要な事は、一番大きい分類だと2つ+1つになります。
・回転軸のブレが無い事
・トルクが強い事
・質の良い先端工具を選択する事
1.回転軸のブレが無い事
極論リューターの良し悪しはこの1点で決まるとまで言っても良いほど、重要な点となります。そして、リューターに対する価格とのトレードオフになっているのは、ここの精度であるケースがほとんどです。
随分沢山のアタッチメントが付いているし、回転速度も速い、回転速度の段階も沢山ある。にもかかわらず、随分とお安い値段で売られているなぁ、と思った事はありませんか?
そんなリューターは、使ってみると大抵の場合、回転軸がモーターの回転によってブレてしまっています。当然ですが、求められる作業が精密であればあるほど、このブレは致命的になっていきます。
例えば、最も高い精度を求められるリューターの代表格と言えば、歯医者さんで歯を削っているアレです(※歯科用の物に関しては、リューターという呼称はほとんど使われません)。歯を削ってもらっている工具が、振動で回転がブレているなんて思うと、怖くてそんな歯医者さんには行けませんよね。医療用の物が高価なのは、その精度にコストがかかっている事が、大きな理由の1つです。
ご家庭のDIYでは、どれくらいの精度が欲しいものか。それはやりたい事による、と言ってしまえばそれまでですが、身も蓋も無いので体感上の目安を少しお伝えしようと思います。
こちらの記事で3つのリューターを紹介しておりますが、プロクソンかドレメルであれば、大抵の場合不満が出るほどのブレは出ません。これで難しいという印象を持たれる場合は、それこそ中古市場に出て来る歯科用リューターにお金をかけないと、満足できない可能性が高いです。
残る1つのリューターですが、これは回転工具に慣れた方だと軸のブレが気になると思います。DIYレベルでも、もう少し精度が欲しいなぁ、と感じる方は確実にいらっしゃいます。黒追としては、カバー出来ない範囲でも無いと感じたので、このお値段でアタッチメントの豊富さを考えれば、リューターに出来ることが何なのかを知るために良い物かと考えているので、紹介させて頂きました。実際、黒追はこれをメインリューターとして使っています。ミリ以下の穴を90度のカーブを伴ってズレ無く開ける、と言ったことも出来ているので、使えないレベルとは思っておりません。
2.トルクが強い事
この手の回転工具において大きく打ち出されているスペックの1つに、回転数というものがあります。読んで字のごとく、1分間に何回転するかを現わした数値ですが、黒追の考え方としては、何か用途が決まっていて必要な人を除くと、この数値の大きさはそれほど深く考える必要が無いと思っています。
と言うのも、実際リューターで作業する場面において、フルパワーの超高速回転でぶん回して作業したいと感じる事が、今まで一度も無かったためです。それだけの回転数が欲しいと思う場面なら、素直に旋盤やドリルを使っているはずで、リューターの得意分野である精密緻密な作業の場合は、高速回転に頼らずとも目的を果たせるトルクこそが要求スペックとなります。
トルクが弱いと、作業中に先端を強く押し当てすぎると、モーターの回転が止まってしまう事があります。低回転高トルクで動いてくれるからこそ、ストレスなくリューターの強みを活かせるんだなと感じたものです。
いざカタログスペックを確認してみると、トルクを表示しているカタログはほとんど無いかと思います。N・cmもしくはN・mという単位で示されていれば間違いありませんが、ほとんどの場合はモーターの消費電力であるWでトルクの数値に変えているかと思います。
Wでも一応の目安にはなりますが、トルクは必ずしもモーター出力だけに依存するわけではありません。途中で経由したギア比等、多くの要素で最終トルクが変わりますので、最終的には使ってみてわかる面も大きいです。
トルク表記があるかないかを確認し、無ければモーター出力を目安として、それでも不安であれば安物は買わない、としていくしか手段が無い、といった現状があります。逆に言えば、トルク表記を打ち出しているところはそれだけ自信があるという事でもあるので、それだけでも期待できると言って良いでしょう。
3.良い先端工具を使う
厳密にはリューターその物の話では無かったので、記事タイトルとしては+1とさせて頂きました。
極論、本体よりお金をかけて頂きたいのが、先端工具です。
加工対象と直接触れ合うのは先端工具でして、例えば切断で使うダイヤモンドカッターや、穴あけで使うドリルビッドなどは、安物を使ってしまうといつまで経っても加工が進まない、なんてことになりがちです。
先端工具に良い物を付けておけば、綺麗な加工へのハードルは相当下げる事が出来ます。入門のつもりで一旦安いリューターを試してみた方にこそ、本体をアップグレードする前に、先端工具を買い替えてみて頂きたいところです。
先端工具に関しては、こちらの記事(作成中)で詳しく紹介いたします。
ベースラボで紹介したリューターは、この辺りを基準に選定させて頂いております。
もちろん、黒追も世に存在するリューター全てを試せるわけでは無いので、もっともっと安くて質の良い物は世の中に存在するのかもしれません。とはいえ、ツールを探す時間も、ある意味コストです。
お仕事としてお金を頂く加工の場合は、そこまでやらなければむしろいけないかと思います。
レジャーの意味も含めたご家庭のDIYである場合、大手の通販サイトで手軽に入手できる範囲から選択するのも、また1つのやり方と考えて紹介させて頂きました。
良いリューターに出会って、削ったり磨いたり穴あけたり切断したり。楽しくDIYして頂けたらと思います。
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